昭和23年の営業開始以来、特に特筆すべき存在が「黒人紅茶」です。
この紅茶のルーツは、昭和初期に中央区のJR高架下で店舗を構えていた「株式会社三原」に遡ります。
当時の神戸は、多くの外国人が行き交う港町であり、紅茶を楽しむ文化が広まりました。

黒人紅茶のマークは、当時の商店主の母が考案したもので、営業車にもマークを付けて走っていました。
昭和40年代に東灘区深江浜町へ移転後、高度経済成長とともに人種差別の問題が顕在化し、黒人紅茶の販売を自粛することになります。
その後、東神への資本参入後も三原は約15年間営業を続けていましたが、代表の高齢化に伴い事業を解散することになり、株式会社東神が三原の従業員によって事業を継承することとなりました。

黒人紅茶はやがて「ピュアセイロン」と名前を改め、シンプルで親しみやすい味わいのセイロンティーとして再び世に送り出されました。
ミルクティーにぴったりなその風味は、時代を超えて多くの方々に愛されています。